インタビュー

本作の印象をお聞かせ下さい。
 玉山さんも谷原さんも仰っていますが、全体のトーンは重いですよね。重厚感のあるエンタテインメント作品だと思います。こう言った話の連ドラは、なかなか珍しいんじゃないのかな。WOWOWだけの作品だと、今回のようなテイストのものを何作か演らせて頂きましたが、まだ最後まで台本をもらえていないので何とも言えませんが、僕としてはほんのわずかでいいので、希望というものが見えてくれたらいいなと思っています。

渡部さん演じる環が登場する場面は、存在感に圧倒されました。
 そう見えるよう、台本に書いてくれているだけのことですから(笑)。(WOWOWの)青木プロデューサーとも長いお付き合いなので、僕の見せ方を分かってくれてるんだと思います。
そんなプロデューサーの、本作に対する熱い思いを受けての出演とのことですが。
 作品の内容に関して、役者がいろいろ言う立場ではないと思っています。プロデューサーの『これをやりたいんです』、『10年以上、映像化を望んでいた作品です』という熱意ある言葉や気持ちに役者っていうものは動かされるものなんです。それに僕も良い年だし、参加するのなら、作り手の情熱を感じられる作品のほうがいいですから。

渡部さんは「復讐の是非」というドラマのテーマについて、どうお考えですか?
 この作品はあくまでドラマ、フィクションなので実際のことに僕は置き換えてはいません。それは今回に限らずどの作品に対してもそうですし、エンタテインメントして見応えのある、魅力あるものになるよう、力を注ぐだけなので。ただ、ドラマを見て下さってるお客様の中にはそうではなく、ご自身のことを重ねる方もいるでしょう。実際、世の中には残酷な事件があふれ、そのことで辛い悲しみを背負っている方もいるでしょうから。ニュースを見ていても思うのは、悲しい思いをしている人がいるのなら、どうか生きて行く上で光になるようなものを見つけてほしい、と願うことです。どうか事件に遭った人たちが救われる世の中であるようにと、願うだけですね。
環を演じる上でのポイント、大切にしている点は?
 そういう質問をよくされますが、もうね、全部ですよ。全部(笑)。どこか少しでも手を休めるなんて出来ません。年齢的にも自分で自分を甘やかしていたらすぐダメになるから。なので、どんなときもちゃんとやらなきゃいけない。それに、現場に行くとスタッフや若手の共演陣から、『渡部さんがいてくれるなら、もう大丈夫』みたいに期待されることが多くて(笑)。『いやいや、僕もただの人なので』と思いつつ、皆が寄せてくれる思いに何とか応えたいと思っています。特別に何かを意識して背負ってはいませんけど、ミスはできないです。

環が何を考えているのかなかなか見えないと思いますが、全話を通すと分かることもあるのでしょうか?
 どうでしょう(笑)。武藤をなぜ自分の捜査に協力するよう求めたのかは分かるかな…。ただ、演じて感じるのは、環には環なりに犯罪を憎んでいるし、犯罪を防ぎたい、無くしたいという思いはある気がします。もしかしたら、そのことに捉われ過ぎているかも、と思います。ですので、環のしていることや発言が、ときに違法に見え、まっとうな正義に映らないのかもしれないですね。
玉山さんや谷原さんとの共演はいかがですか?
 シリアスな作品の中で、玉山さんも谷原さんもドラマの間を埋めるべく、隙のないお芝居をされていますね。今回、この3人での共演は初めてのことで、二人とも僕より若いけれど、お芝居を見ていてすごく刺激になっています。それもうれしいことですね。

最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
 今回は東海テレビとWOWOWの思いが込められて作られているし、見応えという点では間違いなく“ある”作品です。見てくださるお客様の期待を裏切らないドラマですので、最後までご覧いただけたら、感謝ですね。それでこれはもう決まり文句のようなものですが、Season2も楽しんでいただきたいので、ぜひWOWOWへのご加入をお願いします(笑)。

バックナンバー