ストーリー

story8

5.27O.A

 犯人逮捕で幕を閉じたかと思われた誘拐殺人事件。しかし、武藤(玉山鉄二)と鏑木(谷原章介)は、1億円の身代金が犯人によって燃やされているという事実がどうにも腑に落ちず、事件の洗い直しを決意した。とはいえ、捜査本部はもう解散し、すでに起訴にまで進んでいる事件を追うことは、警察組織との対立も意味した。特に現役刑事である鏑木にとってそれは大きなリスクだが、2人の覚悟は変わらなかった。高梨道治(竜雷太)は、一代で会社を築き上げたワンマン社長。その強引なやり口で反発も多く、怨恨が背景にある可能性も捨てきれない。執念の捜査が始まる…。

 武藤は道治の秘書・桜井(相島一之)を追及するが、その中で、環(渡部篤郎)もまた桜井に接触していることを知る。もう環には関わらないと決めていた武藤だったが…なぜ環が?環は理由もなく行動を起こす人間ではない。桜井が誘拐に関与しているのか?それとも別の事件が絡んでいるのか?武藤は環に問いただすが、例によって環ははぐらかすばかりだった。

 一方、道典(高橋光臣)と妻の美和(前田亜季)は今も息子を失った絶望の中にいた。美和はうつろに街をさまよい、道典はそんな妻を家に引き戻すこともできず酒におぼれる毎日。出所した犯人を自分の手で殺すために死刑回避を訴えるとまで思いつめてしまう。かつて、妹を殺した犯人への激しい復讐心に駆られたことのある武藤は、高梨に語りかける。今では復讐しなくてよかったと思っている、しかし、道典の一言に武藤は言葉を失う。「武藤さん、復讐しなくてよかった、本当にそう思っていますか?」

 武藤は、妻(鶴田真由)や娘(桜田ひより)と過ごす家族との時間の中で再び自分を見つめ直す。

 そんな道典や美和の心に救いの手を差し伸べたのは、とある団体の矢吹響子(木村多江)という女性だった。響子は、少年犯罪で息子を失った牧田浩文(板尾創路)が主催する、少年犯罪の被害者遺族で形成される会を運営していた。

 武藤と鏑木は捜査の末にある仮説にたどりつく。それが指し示すのは、あまりにも残酷な真実。そして、さらなる悲劇が待ち受けていようとは誰も予想だにしていなかった…。

 復讐の是非、正義の意味を問う本格社会派サスペンス、衝撃のシーズン1最終回!

バックナンバー