ストーリー

story1

4.8O.A

 土砂降りの雨の中、警察に連行されていく少年。
 駆け付けた一人の男が、すさまじい勢いで少年に襲い掛かり、殴り倒す。
 警官たちが必死で止めるが、かまわず殴り続ける。
 羽交い絞めにされ、それでも男はいつまでも暴れ続ける…獣のように。

 1年前警察を辞めて、今は探偵事務所で浮気調査に明け暮れる武藤(玉山鉄二)は、警視庁人事二課の環(渡部篤郎)という男から、ある“特命”を受ける。少額の身代金を要求し確実に儲ける「小口誘拐」を秘密裏に調査してほしいというものだった。犯罪捜査には二度と関わらないと決めていた武藤だが、犯人が未成年の可能性があると聞かされ動揺する。
 武藤が刑事を辞めた理由。先輩刑事の鏑木(谷原章介)との結婚を控えていた武藤の妹が、見ず知らずの中学生に殺されたのだ。少年法に守られた犯人を、我を忘れた武藤は本気で殺そうとした。警察官でありながら抱いてしまった獣のような思い。自らの復讐心を恐れた武藤は、刑事の職を離れた。「まだその思いは消せないのか?」今も刑事を続ける鏑木の問いが、武藤の胸に突き刺さる…。

 ある夫婦の5歳になる娘が誘拐され、犯人から身代金500万円の要求が入る。
 娘の命が500万?5000万ではなく?
 「警察ニ知ラセタラ、娘サンニハ二度ト会エマセン」
 500万円なら貯金を崩せば払えない額ではない。夫婦は犯人の指定通りに500万円を支払い、程なくして娘は家に帰ってくる。怯えた様子はまったくなく、「お姉さんと遊んでいた」のだという…

 迷った末、環の依頼を受けることにした武藤。一方、鏑木もまた「小口誘拐」の事件を追っていた。幼い娘を誘拐され身代金500万円を支払った田村(甲本雅裕)が警察に通報したのだ。娘は無事に帰ってきたものの、犯人の手がかりがまったくつかめない状況に田村は青ざめる。もし犯人を怒らせてしまったら…。
 一方その頃、とあるマンションの一室で、磯村咲子(ミムラ)は初対面の子供と遊んでいた。玩具の商品開発モニターのアルバイトと頼まれ、何の疑いも抱かず子供の相手をする咲子だったが…。

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