インタビュー

真梨子は父親の武藤への愛情や反発が心の中に渦巻いている少女だと思います。演じての感想は?
 最近、自分と同年代の役は、真梨子のように反抗期だったり、家族とうまくいってなかったりする役も多いので、今回もそんなに構えることなく役に入れました。真梨子の、心が葛藤していて、いつも揺れている感じは、“演技”という意味ではすごくやり甲斐があって楽しいです。特に、真梨子の反抗心はお父さんに対する感情が大きくて、こういう設定は初めてだったので、どう表現すればいいのか考えました。

真梨子の心情などで、理解できたところは?
 中学生になってから気持ちがどんどん変化して、自分の感情なのに整理がつかないことがたまにあります。だから真梨子の、葛藤を自分でもどうしていいのか分からない感じは理解できました。真梨子は真梨子なりに、いろんなことを必死に考えているし、私にもそういうところがあると思います。
桜田さんは現在中学3年生とのこと。「犯罪症候群」の物語の感想は?
 最初、自分の家族にこんなことが起きたら、と想像しながら台本を読みました。でも途中から辛すぎて。そこからは、自分のことに置き換えるなんて無理でした。物語自体はいろいろな事件がどう解決するのか気になり、とても引き込まれました。お父さん(武藤)もどうなるのか心配になったし、真梨子もどこまで行っちゃうの!? とずっとハラハラしてました。

武藤家の現状は深刻ですし、大変ですよね。
 私はお父さんが大好きだし、家族とも仲が良くて何でも話すので、真梨子たちみたいになるなんて怖くて考えたくないです。私もときどき家族とケンカしますが、真梨子みたいに『もういいよ!』とドアをバンッなんて閉めたことはないです(笑)。
武藤家のシーンでは、真梨子の存在がとても大きなものになっています。大役を演じるプレッシャーは?
 あるんですけど、私はこの家族が本当の家族のように見えないと、お父さんが動けないと思ったんです。お父さんは大切なお母さん(雅恵)や真梨子のために危険な仕事をしているということが伝わる演技をしたいと思いました。

玉山鉄二さん、鶴田真由さんとの共演はいかがですか?
 最初に玉山さんにお会いしたとき、“目力”が本当に強かったんですよ!でも怖いとかではなくて、玉山さんは本当に優しいので、きついセリフを言ったり、乱暴な態度を取ったりするのが辛いです。鶴田さんはカメラが回ってないところでも私に気を遣って下さるので、すぐ自然にお母さんと呼ぶことが出来ました。
第4話、5話では真梨子の言動が武藤に影を落とします。どんなところを視聴者の皆さんに見ていただきたいですか?
 武藤家を大きな試練が襲うので、ハラハラドキドキしてください! 聴者の皆さんからすると、お父さんの気持ちでドラマを見ていると思うんです。でも、真梨子の、お父さんに対する複雑な心境をちょっと考えてもらえたら、物語の違った面が見えてさらに楽しんでもらえると思います。

桜田さんはこの作品に出て、何か思ったことはありますか?
 人って誰かのためなら、こんなにも一生懸命動けるんだな、と感じました。お父さんも仕事で大変でも真梨子を思って動いたり、最初のエピソードで誘拐事件に巻き込まれた田村さん(甲本雅裕さん)が、これ以上誰も被害者になってほしくないと行動したり。自分のことでなく、誰かのために動くときの人の力の強さってすごいなと思いました。
最後に桜田さんの目標や夢を教えてください。
 今回、お母さん役の鶴田さんの優しさが本当に素敵だと思いました。女優として幅広い役柄を演じられるようになりたいですけど、それだけでなく、一緒にいるだけで勉強になる方がたくさんいらっしゃるので、皆さんから多くのことを学んで、人としてしっかり成長したいです。前に映画で永作博美さんと共演させていただいたのですが、永作さんはコーヒー店の店主役で休憩中にもよくコーヒーを入れて、現場の皆さんに笑顔で配っていたんです。そのときの永作さんがキラキラと輝いていたので、私もいつか、そんな存在になりたいです。

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